おろし手記

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講演会を潰すべきでない3つの理由

富山県の朝日町で行われる予定だった、作家の竹田恒泰氏の講演会が中止になったそうです。

headlines.yahoo.co.jp

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いろいろな意見があると思いますし、竹田氏の好き嫌いはありますが、私はいかなる講演会も「行うべき」だと考えています。3点書いておきます。

 

1.内容は始まってみないと分からない

 

毎日新聞の報道によると「教育勅語を広める」というタイトルになっていますが、朝日町の広告では「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」です。

 

竹田氏が教育勅語の話をするのかは、実際に朝日町へ足を運んで、講演会で竹田氏の話を聞いてみないと全く分からないので、毎日新聞のタイトルは現段階では間違いと言えます。広告だけで判断するならば「教育勅語」もなければ「ヘイトスピーチ」もありません。

 

中止するべき理由が「差別主義者だから」というツイートは散見されますが、講演会の中での内容に差別に値するものがなければ、この主張は嘘になってしまいます。

 

「○○かもしれない」というように発言自体が嘘にならないリスクを考慮するならまだしも、実際にヘイト発言がなければ、ただの「嫌いな人間の言論封殺しただけ」に成り下がってしまいます。

 

2.直接伝えられるチャンスである

 竹田氏は作家という立場であって、多くの著書を残しており、テレビにも多数出演しています。

 

しかし、TV番組の収録は視聴者にとってははっきりと分かるものではなく、執筆活動にしてもどこで行っているのか分からず、居場所を特定することができません。

 

…と考えると「講演会」は、居場所が確実に特定できますね。

 

出版物やメディアでの出演では、常に一方通行であり、視聴者が直々に竹田氏にリアクションを見せることができません。できるとしたら、せいぜい彼のTwitterアカウントに噛み付くことくらいですが、講演会では肉眼で直接見ることができますし、主催者側の判断もありますが、多少は物を申すチャンスはあるでしょう。

 

直接言葉を投げつけられるチャンスは貴重ですね。

中止に追い込んでは、そのチャンスを自ら不意にすることになります。

 

3.他メディアに出ては意味がない

 講演会を中止にするべきという理由には、よく思想的な部分で指摘されていますね。

 

しかし、講演会を中止にしたところで、竹田氏は自らのインターネットチャンネルや各メディア、出版物で主張を繰り返す状況は全く変わりません。人口1万弱の朝日町での講演会を中止にしたところで、竹田氏に対するダメージはほとんどないどころか、「言論封殺された」という口実を与えることになってしまいます。

 

たった一つの講演会が無くなったくらいで、結局出演している番組を見ては意味がないわけです。確か富山県では北日本放送KNB)の昼2時に「そこまで言って委員会」が放送されていますが、「差別主義者だから」という理由で数百人規模の会場で行われる講演会でも締め出すのであれば、数千人以上が視聴するだろうTV局にも抗議するしかないでしょう。

 

www.ecchu-ryouri.jp

www.asahi-tabi.com

 ただ、放送作家がいるTV局や竹田氏が自由に意見を言うネットチャンネルとは違い、このイベントは人前に立って話す講演会です。朝日町で行われる「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」で、TV番組で話すことと全く同じことを話すとは限らないですし、名物の美味しい「たら汁」「バタバタ茶」など、朝日町と掛け合わせた話を展開することも考えられるでしょう。

 

いずれにしても、話すだけ話させて、賛否はその後で良いではないでしょうか?

アンチこそ直接飛び込むべき

 

 様々な番組や著書などで、かなりアクの強い主張を繰り返していることもあって、熱烈なファンもアンチもいる竹田氏。同タイトルの著書でもAmazonのレビューでは「日本の良さを再発見できる」という高評価もあれば、逆に「過剰な自画自賛」という低評価もあり、好き嫌いが割れやすいのだろうと思います。(私は苦手な方ですが)

 

しかし、TVや著書といった、一方的に世間へ発信するのではなく、講演会出演のため自ら公衆の面前に出てくるのは、有名人としては非常にリスクが大きいことにはかわりありません。

 

Tだからこそ、わざわざ竹田氏から出向いてくれる状況こそ、アンチが飛び込んでいくべき状況じゃないでしょうか?

 

講演会とは自分の思っていることを直接ぶつけられるチャンスです。どうしても許せないなら、自ら足を運んで、お互いが顔を見合わせた上で討論し合った方が、おそらく実りのある話になるのではないでしょうか。それで質問ができないプログラム内容でしたら、講演会が終わった後に「反論を受け付けない人だった」と批判すればいいでしょう。

講演会という「リトマス試験紙

https://twitter.com/chocolat_psyder/status/1191996223139352576

 朝日町役場への電話番号を晒している人がいました。おそらく電話で中止に追い込もうという意図はあったのだろうと私は思います。

 

ただ、こういう人こそ、講演会に足を運んで、中高校生が見ている前で竹田氏を論破していく方が、もっと格好がつくと思うのですが、そういう考えはなかったのかな…と感じるところはあります。

 

インターネットの発展により、誰もが意見を発することができて、ネットから世間を動かすこともできる時代ですが、逆にTwitterでないと強く言えない人も増えてきているように感じられます。

 

有名人による講演会とは、ある意味、インターネットユーザーに対する挑戦であり、インターネットユーザーそれぞれ試されているように感じます。まるでリトマス試験紙のようですね。

 

同じ反対側の意見を持つ人間でも、ネットだけで強く主張したい臆病な人は「中止」を求めますし、本当の意味で好戦的な人なら「開催」を求めるのではないでしょうか?